U-39俳句大会 2012

平成24年3月25日(土)に鹿児島市勤労者交流センター第1会議室で行われました。

各賞受賞の方、誠におめでとうございます。

大会賞

自転車の轍ふらふら春の泥        田中憂馬

 

南日本新聞社賞

水温む青色の栓ひねる朝         瀬戸口かの子

 

南日本放送賞

黒猫の背中に潜む四温かな        鴻池貴光

 

扇屋賞

噴煙の怪獣を成す冬の空         阿久根利子

 

県部会長賞

さよならの風景留め初桜         森本きよ

 

優秀賞

ため息が溶けゆく空の月おぼろ      今村南月

 

積雪に小さき子らの足跡よ        大久保空

 

子どもらの笑顔の中に雛飾る       久保幸子

 

その人の長き手紙や燕来る        涼野海音

 

帰り道ベンチに融けた雪だるま      前田友和

 

寒禽の渡りの傷や羽拾ふ         吉岡燦華

 

 

予選通過作品

 

彷徨へば見知らぬ街の祭の灯

積雪に小さき子らの足跡よ 

さよならの風景留め初桜

春雨にうたれながらの登校日 

冬空に無人ホームのベルを聞く

黒猫の背中に潜む四温かな 

帰り道ベンチに融けた雪だるま

風鈴をゆらゆらゆらす恋心 

その人の長き手紙や燕来る

子どもらの笑顔の中に雛飾る 

ため息が溶けゆく空の月おぼろ

玄関を開けると香る寄鍋よ 

いつせいに発疹出たる涅槃西風

寄せ書きに名前記して卒業す 

春の星眼鏡を外し立ち止まる

春の宵身を乗り出してつかむ夢 

手をつなぎ遠回りする桜道

告白の少女俯く春の川 

春の灯に華やぐ土手の賑はひか

舞ひ出でし蝶にどうぞと道ゆづる 

噴煙の怪獣を成す冬の空

火山灰けむる空に白木蓮灯る 

終バスを降りて見上ぐる春の月

手鏡のやうにトランプ伏せて春 

フリージアの花の香りや美容院

水温む青色の栓ひねる朝 

木枯に背中丸めて足急ぐ

自転車の轍ふらふら春の泥 

寒禽の渡りの傷や羽拾ふ

咲ききりて落つる椿の花ひとつ 

 

(順不同)

大会の様子
大会の様子
吟行
吟行
表彰式
表彰式
表彰式
表彰式
表彰式
表彰式
表彰式
表彰式